Quantum-chemical insights from DTNN -5
*KaggleのテーマPredicting Molecular Propertiesと類似した内容であるが、Kaggleとは離れて、DTNNの本質に迫る。
*プログラムコードを学び、使えるようにする。(2月9日追記)
・主要対象論文:K. T. Schütt et al., Quantum-chemical insights from deep tensor neural networks, nature communications 2017、SchNetの論文、K. T. Schüttさんの学位論文他
*今日は、Molecular dynamicsのパラメータF(kcal/mol/Å)の予測、Molecular dynamic study of C20 fullereneについて学ぶ。
*Molecular dynamicsに関して自分のもつイメージと、1分子に対する力F(kcal/mol/Å)の予測が、どうつながっているのか理解できないので、ゼロから勉強しよう。
*定義(ウイキペディアより)
分子動力学法(ぶんしどうりきがくほう、英: molecular dynamics、MD法)は、原子ならびに分子の物理的な動きのコンピューターシミュレーション手法である。
・原子および分子はある時間の間相互作用することが許され、これによって原子の動的発展の光景が得られる。
・最も一般的なMD法では、原子および分子のトラクジェクトリは、相互作用する粒子の系についての古典力学におけるニュートンの運動方程式を数値的に解くことによって決定される。
・この系では粒子間の力およびポテンシャルエネルギーは原子間ポテンシャル(分子力学力場)によって定義される。
・MD法は元々は1950年代末に理論物理学分野で考え出されたが[1][2]、今日では主に化学物理学、材料科学、生体分子のモデリングに適用されている。
・系の静的、動的安定構造や、動的過程(ダイナミクス)を解析する手法。
*ここまでは、古典力学の世界の話
*結合の切断、形成を扱えるMD(ウイキペディアより)
・ab-initio法におけるポテンシャル
・古典的分子動力学では、単一のポテンシャルエネルギー表面(通常は基底状態)は力場によって表わされる。
・これはボルン=オッペンハイマー近似の結果である。
・励起状態では、化学反応あるいはより正確な表現が必要な時は、電子の振る舞いを密度汎関数法といった量子力学的手法を用いることによって第一原理から得ることができる。
・これはab initio分子動力学(AIMD)と呼ばれる。
・電子の自由度を扱うコストから、このシミュレーションの計算コストは古典的分子動力学よりもかなり高い。
・これはAIMDがより小さな系あるいはより短い時間に制限されることを意味する。
・Ab initio量子力学法は、トラジェクトリ中の配座について必要に応じてその場で系のポテンシャルエネルギーを計算するために使うことができる。
・この計算は反応座標の近傍で大抵行われる。
・様々な近似を使うことができるが、これらは経験的当てはめではなく理論的考察に基づいている。
・Ab-initio計算は、電子状態の密度やその他の電子的性質といった、経験的手法からは得ることのできない膨大な情報を与える。
・Ab-initio法を使用する大きな利点は、共有結合の切断あるいは形成を含む反応を調べる能力である。
・これらの現象は複数の電子状態に対応する。
*ab initio分子動力学(AIMD)の課題は、計算速度だから、機械学習・ニューラルネットと組み合わせれば良さそうだな。
*すなわち、AIMD = Ab-initio MD → Artificial Inteligence MD
*ありますね、Artificial Inteligence MD!
*Free energy of proton transfer at the water - TiO2 interface from ab initio deep potential molecular dynamics, M. F. Calegari Andrade, H-Y. Ko, L. Zhang, R. Car and A. Selloni, Chem. Sci., 2020
*DeePMD(Deep Potential Molecular Dinamics)と命名された手法の開発者の論文
・Deep Potential Molecular Dynamics: a scalable model eith the accuracy of quantum mechanics, L. Zhang et al., arXiv
・概要:ab initio計算のデータを用いてDNNを学習させ、得られた多体ポテンシャルと原子間力をベースにし、MD法によって分子シミュレーションする手法である。
・ネットワーク以外は、第一原理から計算したものである。
・バルク材料や分子を含む様々な系に、効率的で正確なプロトコルを提供する。
・序文:MDは、物理、化学、生物、材料科学など、さまざまな分野で使われているが、その計算結果の正確性は、計算に用いる原子の相互作用のモデルに依存している。
・ ab initio MDは、密度汎関数法(DFT)の正確さをもつが、計算コストのために数百原子、100 ps程度の範囲に限られる。
・DFTの近似法が種々開発されているが、十分ではない。
・機械学習が、この状況を変えつつある。(引用文献10件の中にK. T. SchüttさんらのDTNNが含まれている)
・原子の立体配置とポテンシャルエネルギーと力の大きなデータベースで学習させれば、機械学習は、これらの物理量を同等の正確さで再生することができる。
・これまでの10件の機械学習法は、そのままでは使えないとの判断から、新しいモデルDeep Potential Molecular Dynamics (DeePMD)を提案している。
・理解するのが難しくなったので、模式図を示しておこう。
*MDAnalysis: A Python Package for the Rapid Analysis of Molecular Dynamics Simulations, R. G. Gowers et al., Proc. of the 15th Python in Science Conf. (SciPy 2016)
・これは、バイオインフォマティクス分野におけるMD計算を想定し、様々なフォーマットのデータベースからの入力に対応し、複数の出力方式に対応したPythonコードの紹介である。2008年1月に公開されたとのこと。
・これは、おそらく、古典的なMD計算であろう。
*今日は、DTNNやSchNetでのMDに関する内容を理解する予定であったが、MDについて調べているうちに、DeePMDというab initio MDと同等の正確さでMD計算を可能にするツールが開発され、水-TiO2系に適用されていることがわかった。
・そのDeePMDは、DeePMD-kitとして、GitHubにアップロードされている。
*機械学習関係の論文は、ほぼ全て、arXivで読めるので、とにかく、文献検索をして、日々、新しい情報を取り入れるようにしよう!
つづく