固体ー構造と物性 金森順次郎・米沢富美子・川村清・寺倉清之著 岩波書店
2001年3月15日第1刷発行
2022/9/4
ナノ粒子の分析をしていて、基礎的なことを知らないことに気付いたので、書棚に眠っていた本書を取り出して読んでいる。
ナノ粒子に関する節があったのでそこを読んでみた。
7-5 超微粒子の結晶構造
金属超微粒子の構造については、1960年代に名古屋大学のグループによって徹底的に研究されたとのこと。ほとんどの金属超微粒子の結晶構造はバルクのものと同じであるが、バルク結晶なら高温相でのみ現れるはずの結晶構造が室温の超微粒子で見られることが多いとのこと。
紀本和男氏による1967年の論文から引用したCrナノ粒子の研究例があり、ナノ粒子ではバルクでは見られないA15型結晶構造となり、外形が5角形となっている。
界面張力と表面積の積が最小になるというGibbsの理論とその条件によって決まる多面体はWulffの多面体というとのこと。