20220614 第一原理計算をやってみよう
参考書:前園 涼/市場 友宏著 動かして理解する 第一原理状態計算
機械学習/ディープラーニングによって第一原理計算の高速化や高精度化を図るということを体験したいと思っているのだが、全く進んでいない。
今回取り上げるのは機械学習を全く含まない純然たる第一原理計算である。
まずこれを知らないとダメだろうということもあるが、今回このテキストを使ってみようと思ったのは、どうしても自分で計算してみたいことがある、パソコンでどこまでできるか知りたい、できればこの延長線上で大型計算機も使えるようになりたい、というのが最も強い動機である。
2022/10/01追記
昨日、参考書の3章から5章まで通読した。第一原理計算の骨子はぼんやりとではあるが把握できたように思う。
付録B ターミナル環境設定の詳細(Windows版)
B.1~B.3のターミナル環境設定はクリヤできた。
B.4~B.5のインストールも最後まで進んだが、
最後の描画は表示されなかった。
gnuplot> plot x
ここで止まったままである。
推測では、作業ディレクトリの準備で、入力できていないコマンドがある、という可能性がある。テキスト通りに進まず、エラーが表示されたときに、エラーに対する処置が適切に行えなかったことが描画できない原因となっている可能性がある。
2.2.3 教材セットの入手と配置
2022年7月7日:ここで止まったままである。
目の前に、1998年の論文がある。
"Effect of Strain on the Reactivity of Metal Surface"
原子や分子の吸着エネルギーが表面原子のcompressiveもしくはtensile stressによってどう変化するかをDFTによって計算し、最後にd-band centerとの相関が示されている。
2022年の論文を見ると、PtNiCoのナノ粒子をうまく調製すれば、Pt/Cの10倍以上の酸素還元活性を実現できているようだ。
酸素還元反応であれば、酸素ガスがカソード電極の背面から供給され、プロトンが高分子電解質膜から供給され、電子がカーボン担体から供給される。反応中間体は触媒表面近傍でどのような配置をとるのだろうか。吸着するのはOかOHかOHの場合Pt側はOかHかなど、よくわからない。実時間スケールでどのようなことが起きているのかを知りたいのだが、分子動力学の計算が必要になるのか。時間変化が追えなければ意味がなさそうだ。反応速度と反応機構を知りたいのだが、計算機の中でそれをどのようにすれば実現できるのだろうか。ダイナミックに捕えなければ意味がなさそうだ。カソード触媒表面近傍に供給された酸素ガスとプロトンと電子からH2Oが発生する様子を再現して反応速度を調べるためには、どうすればよいのだろうか。
PtNi、PtCo、PtNiCoなどでは、表面近傍の原子配列や電子状態がPt原子であってもその近傍の原子と位置によって異なると思うのだが、どうやれば原子配列構造を再現し、反応の様子を再現することができるだろうか。
2022/9/3
プログラムを動かしながら学ぶつもりだったが、情けないことに、インストールの途中で止まったままだ。
とりあえず、先に進んでみよう。
第3章 計算の一連の流れ
3.1 自己無同着計算という計算プロセス
3.2 インプットファイル群の準備
3.2.1 物質構造をどう準備するか
「cif形式」⇒ VESTA ⇒ cif2cell ⇒ Quantum Espresso
3.2.2 物質構造ファイルの入手
3.2.3 構造ファイルの書式変換
3.2.4 擬ポテンシャルの準備
ウイキペディアから引用
「擬ポテンシャル(ぎポテンシャル、英: pseudopotential)は、第一原理計算において原子核近傍の内核電子を直接取り扱わず、これを価電子に対する単なるポテンシャル関数に置き換える手法である。これは原子間結合距離など、多くの物性において、内核電子の直接の影響が小さいことを利用したものである。平面波基底を用いて第一原理計算を行う場合、計算コストの問題から、何らかの擬ポテンシャルを使う場合がほとんどである。
有効内核ポテンシャル(英: effective core potential, ECP)とも呼ばれる。
こうした擬ポテンシャルは、内核電子が与える静電相互作用や交換相関相互作用とは全く無関係に、原子核から或る半径よりも外側では、波動関数が全電子計算の結果と一致することだけを指針に作成される。そのため平均場近似といった物理的な近似や洞察を含むものではなく、あくまでも計算のための便宜的な手法といえる。価電子帯の波動関数は、原子核近傍で同径方向に節(ノード)を持つが、擬ポテンシャルを作製する際には、こうした節を取り除き、滑らかな波動関数となるように問題をすり替える。このため、擬ポテンシャル法により得られる波動関数(密度汎関数法に用いる場合はKohn-Sham軌道)は擬波動関数と呼ばれることもある。こうした操作が、カットオフエネルギーの大幅な削減へと繋がる。」以上、ウイキペディアから引用
3.3 自己無撞着計算
3.3.1 計算の準備
3.3.2 自己無撞着計算の実行
3.3.3 自己無撞着計算の結果チェック
3.4 手早くプロットして確認する
3.5 電子構造の算定
3.6 分散図描画
3.7 クイック・チェックとしての物性計算
3.8 補遺:κ点パスの生成
第4章 計算条件の決定
4.1 計算条件の決定とは何か/なぜ重要なのか
4.2 計算分解能の決定
4.2.1 κメッシュ
4.2.2 エネルギーカットオフ
4.3 擬ポテンシャル選定による予見差異
4.4 交換相関ポテンシャル選定による予見差異
4.5 計算条件が予見に及ぼす影響
第5章 第一原理解析の理解に関する勘所
5.1 カーネル計算の位置づけ
5.2 カーネル計算の勘所
5.3 密度汎関数法の概略:交換相関ポテンシャルの理解に向けて
5.4 擬ポテンシャル
5.5 基底関数系
5.6 ソフトウエアパッケージの選択指針
5.7 補遺:SCF収束の調整
第6章 さらなる展開へ
6.1 シミュレーション協働実務の進め方
6.2 自分の興味ある系への適用に至る道筋
6.3 マテリアルズインフォマティクス
6.4 ハイスループット化とワークフロー化
・量子モンテカルロ法電子状態計算
6.5 マテリアルゲノムへ