AI_ML_DL’s diary

人工知能、機械学習、ディープラーニングの日記

ニューラルネットワークを用いた第一原理計算

2020年に「人工ニューラルネットワークによる多体電子状態計算」というタイトルでCarleo らのNQS,Hermann らのPauliNet,およびPfauらのFermiNetについて半ページ程度の記事を書いた。

年内に、その進展状況を紹介する記事を、まず、半ページ程度書いてみて、良さそうであれば、ボリュームを増やしてみたいと考えている。

記事を書くのが目的ではなく、第一原理計算と分子動力学を使って、材料の物理化学的性質を計算し、実験結果と比較できるようにすることである。

ここで紹介するのは次の論文である。上記3名が共著者になっており、かつ、DeepMindIBMの研究者も共著者となっている。(PfauもDeepMind

Ab-initio quantum chemistry with neural-network wavefunctions

Jan Hermann, James Spencer, Kenny Choo, Antonio Mezzacapo, W. M. C. Foulkes, David Pfau, Giuseppe Carleo, and Frank Noé 

ニューラルネットワーク(NN)が量子化学計算に適用され始めた頃は、もっぱら、教師あり学習、すなわち分子構造と物理化学量のデータセットを使ってNNを学習させれば、新たに分子構造を入力すれば物理化学量が出力されるというものであった。Fig.1a右下のパターンに相当する。内挿であればそれなりの結果は得られるが、外挿には無力である。

2.3 Variational wavefunction methods

Hartree–Fock

However, the variational principle does not hold in DFT because the exchange-correlation contributions to the energy functional are not known exactly and must be approximated in practice. From here on, we will stay within the variational principle
and instead focus on increasing the expressiveness of the HF (Hartree–Fock) ansatz.

DFTパッケージ(QuantumEspresso)を使って第一原理電子状態計算を行えるようになるために、前園氏らのテキストを読んでいて、擬ポテンシャルとコーンーシャム方程式を解く際の自己無撞着ループの説明のところで、”近似”という言葉は使っていないが、「コーンーシャム軌道には数理的便宜以上の意味はない」、「交換相関汎関数は厳密な汎関数の存在飲み証明されているが、そのつくり方は定まっていないので、果敢につくって試すしかない」などの記述が気になっていた。

この「気になること」に対するJ. Hermann, D. Pfau, G. Carleoらの答えは、DFTは使わない、ということである。

最後まで目を通したが、2020年からの進展を把握することはできなかった。

 

この週末にはもう少し丁寧に読んで、2年間の進展を把握したいと思う。

 

 

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